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制作行程

タイトル

「直徳」の金切鋏の製作行程・担当職人の紹介をします。全ての直徳の鋏は、この行程に従って丁寧に創られています。

材料切断→頭部形成→刃がね付け。

地金を定寸に切断し*炉の中で加熱処理し、ハンマーで形を整えます*。再び炉の中で加熱処理を行い、最適な状態になったらあらかじめ加工した鋼材をホウ砂を使って、*沸かし付け*を行います。

使用する、地金や鋼材は、ハサミの種類や切断材によって最適なものを使用しております

腕伸ばし→頭曲げ→腕曲げ

ハサミのウデ部になるところを丸く整えながら,ハンマーを使用して丹念に伸ばしていきます。
頭部になる部分を曲げ込みます。
ウデ部を、最適な形に曲げていきます。

地金を赤めては伸ばし、また、赤めては伸ばすことを繰り返すことにより地金に力強い「コシ」が生まれてきます。

裏押し→穴あけ→頭部、ウデ部の研磨→刃部造り→焼鈍→焼入れ→焼き戻し→研磨→カシメ→刃合い・刃角調整→刃切れ検査→包装

火造り加工から仕上げ研磨作業へと工程は進みます。グラインダー加工・ベルトサンダー加工・羽布研磨加工などを行い、焼入れ・焼き戻し工程をへて、最終仕上げ研磨を行います。そして、芯金入れを行い、最適最善の状態にカシメ、刃切れを検査して仕上げます。

火造り作業がハサミの「鋼の力」を引き出す作業とすれば、研磨加工作業は「ハサミの形」を整え、切れを引き出す作業になります。なかでも、研磨材にハサミをあてがい研磨していく作業は、まさに、「ハサミ鍛冶職人の熟練の技と研磨材との呼吸」によって完成していく老練な作業です。

ハサミ製作工程の主なる形状。ハサミの種類などによりこの写真の工程を基準として他にも様々な手順が加わります。工程数で言いますと・・・76工程あります。

一つ一つの各工程に充分な注意を集中させて、ハサミ鍛冶職人衆が日々、研鑽に勤めております。

刃がね付け担当:石原 茂/近藤直樹/村上和男

3名とも丹念に、そして丁寧な作業を行います。創作力にも優れ、新しい機能と形状の製品作りにも意欲的に取り組んでおります。

腕伸ばし

タイトル

地金と刃がねの焼き色を見ながら、最適な状態まで加熱し、刃がねを地金の伸びに逆らうことなく、丹念に伸ばし打ち込んでいく・・・熟練を要する作業である。
角形から丸形へ・・・太さと長さを熟練した「目」と「腕」が、スプリングハンマーと呼吸を合わせながら、形成していく熟練作業である。
鋏の形と暑さを決める大切な工程である。
鋏の腕を曲げる作業である。張り肩・・なで肩・・など自在に調整できる。
佐藤 充 / 長島芳幾 / 木村勇気

炉で赤めては伸ばし、また、赤めては伸ばす。角材を、正丸に形成しハンマーで何べんも叩くことで、素材の本来持っている「コシ」を強くします。

仕上げ研削・研磨

タイトル

火造り工程から次は、研削・研磨作業へと進みます。各工程の時々で最適な研磨機と研磨材を使用して、ハサミに熟練工が誠心誠意をもって、作業を進めます。

火造り工程の次のステップが荒砥ぎである。焼き鉄肌の黒皮を落としながら、形を整えていく作業である。
刃の切れ味の良さを左右する、裏すき研磨作業である。熟練工が、研磨砥石と回転数と手角を微妙に合わせながら、形を整えていく。
炭炉などで加熱し、頭に当たる部分の成型にこれから入っていく。火かげん、色合い、鎚と金床とハサミ鍛冶職人の腕・技能が最高に求められる工程に入っていく。
鋼に生命を吹き込む最高の瞬間でもある。少しの作業のブレが許されない工程である。焼き過ぎず、低からず、長からず、短からず・・・長年の勘と経験が全てといって良いほどの、最重要工程である。
火造り・焼き入れ・焼き戻し・研磨・刃付け作業などが済むと、いよいよ、カシメ作業工程に入る。振り落とす、鎚の微妙な力加減が全てである。
一つ一つのハサミを最高に熟練した職人が、全神経を集中して刃の反り合いを合せ、刃切れを丹念に調質していくのである。
ここには、一切の妥協は許されない。ハサミの、刃切れ・刃合い・刃当たり・カシメ具合・バランス・切れ音などに渡って、ハサミ全身の調質をしていくのである。
ハサミの出来具合は・・・・・お客様がお決めになること。
我々ハサミ職人衆は、ただただ、本物を目指して自分自身が納得できるハサミ造りを毎日毎日行うだけである。
自分自身が納得できなくて、お使いになるお客様にはご満足はいただけないのである。
直徳のハサミ鍛冶職人衆は、今日も技術・技能の進化、向上を目指して研鑽を重ねていくのである。
佐藤真一・石原 茂・細田 孝
カシメ・刃合い調整

タイトル

熱処理も済んで、刃部の研磨作業も終わると、いよいよか締め作業に入ります。刃部の歪みやひびなどの状態をチェックしながら、芯金を挿入して刃合いの強さを見ながら、カシメていく大変熟練を要する作業であります。

[直徳]ハサミ鍛冶屋職人は、ハサミの不要なわずかな動きも見逃さず、刃のせり合わせ具合や刃合い、芯金部の動きなど瞬時に的確に判断して仕上げていきます。
鎚の一打一打に「氣」を込めて打ち込む・・・ハサミの生命である「切れ味」を生み出すまさに、[直徳]ハサミ鍛冶職人の職人たる技の結晶である。
ハサミの刃先のかみ合わせに集中して、刃合いを取っていく極めて熟練を要する作業である。
刃の反りを一丁一丁[直徳]のハサミ鍛冶屋職人・熟練工の「目」で確認しながら進めます。
石原 茂 ・ 長谷川道夫

ハサミ鍛冶職人の中の最も熟練した職人の作業であります。全て、経験と技量と感性が最も求められる工程であります。